脳疾患について

脳腫瘍は、脳の疾病のひとつで、頭蓋内組織に発生する新生物(腫瘍)のことを意味します。したがって脳腫瘍は脳細胞だけでなく、硬膜、くも膜、頭蓋内の血管や末梢神経、その他の頭蓋内に存在するあらゆる組織から発生します。

脳の表面を覆うくも膜の下には、脳が活動するための酸素と栄養を供給する血管が走ります。その血管に動脈瘤ができ、破裂してくも膜下出血をおこすと、ハンマーで殴られたような激しい痛み、またはプレッシャー衝撃(高速エレベータにのったような感覚)が発生します。脳を圧迫し正常な働きを困難にするため、三分の一の人には後遺症が残り、三分の一は命を落とすことになります。

くも膜下の破裂脳動脈瘤(くも膜下出血)は、脳卒中の中でも致死率の高い病気だけに、脳ドックを受診し、未破裂のうちに治療する人も増えてきています。

くも膜下出血は、高血圧、糖尿病、喫煙、くも膜下出血に罹患した親類がいる人、頭痛持ちなどに多いと言えます。該当するなら、結果を冷静に受け止める、と心に決め脳ドックを受けることをお勧めします。

脳疾患の治療方法について

脳疾患手術のうち、難度の高いのは脳腫瘍と、くも膜下の破裂脳動脈瘤(開頭術)(社旗復帰可能の目安JCS30未満)と未破裂脳動脈瘤(開頭術と血管内治療)になります。

日本脳卒中学会が発表するガイドライン「未破裂脳動脈瘤の治療」で標準治療方法について調べることが出来ます。

治療法には、開頭術(クリッピング術)と、血管内治療(コイル塞栓術)があります。開頭術では、頭蓋骨を開け、血管にできた脳動瘤の根本をチタン製のクリップで留め、動脈瘤の中に血液が入らないようして破裂を回避します。治療の歴史も古く、術後経過が良好なら、再発の可能性は低いと言えます。ただし脳のしわを分け入り、動脈瘤が見えるようにする必要があります。クリップをかける操作で、穿通肢と呼ばれる細い血管や視神経を傷害し、後遺症が残る可能性もあります。

そこで、開頭術を補完する形で10年ほど前に導入されたのが、欧米を中心に実施されたきた血管内治療です。血管にカテーテルを入れ、動脈瘤の中にプラチナのコイルを送り込みます。コイルが入ることで、血流が滞り動脈瘤の中で血がかさぶたのように固まり、動脈瘤を塞ぎます。脳の治療もでき、頭に傷が残らず、入院期間も短く済みます。

2010年7月にVRDと呼ばれる自己拡張型のステントで血管形成をして、コイルを入れる方法が保険適用となり、治療の可能性が拡大しています。ただ血管内治療は大きな動脈瘤や、動脈瘤から重要な血管が出ているときには治療できません。

最近では、必要に応じ、開頭手術と血管内治療を組み合わせて治療する場合も出てきています。検査中に再出血を起こして昏睡(こんすい)状態になって手術が難しいケースでは、まず血管内治療のコイルで再出血を予防し、その後、開頭手術で腫れた脳の圧力を下げ、水頭症を防ぐため管を入れて脳脊髄液を排出するなどの実例も出てきています。

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